所要時間: 約45分 | 難易度: ★★★☆☆

この記事で作るもの

CursorでUIの骨組みを作り、Claude Codeで複雑なビジネスロジックとデータベース連携、そしてテストコードを一気に実装した「Next.js製のタスク管理ツール(Prisma使用)」を構築します。 エディタの直感的な操作と、CLIエージェントの自律的な実行能力を組み合わせた、2025年最新のAIコーディングフローを体験してください。

前提知識:

  • ターミナルの基本操作ができること
  • npm/npxコマンドの使い方がわかること
  • React/Next.jsのコードをなんとなく読めること

必要なもの:

  • Anthropic API Key(Claude Code用)
  • Cursor Pro(月額$20 / 無料枠でも可能だが実用にはPro推奨)
  • Node.js環境 (v18以上)

先に確認するスペック・料金

この開発スタイルを導入する前に、財布とマシンスペックの準備が必要です。 まず料金面。Cursor Proの月額$20は「AIエンジニアの雇用代」と考えれば格安ですが、Claude CodeはAPI(claude-3-7-sonnet-20250219)を直接叩くため、従量課金が発生します。 私が中規模のリファクタリングを1時間行った際のコストは約$2〜$5程度でした。 これを高いと感じるなら、まだこの環境は早いかもしれません。

次にスペック。Cursorはインデックス作成時にCPUとメモリを激しく消費します。 最低でもメモリは16GB、できれば32GB以上を推奨します。 私はMac Studio(M2 Ultra / 128GB)とRTX 4090搭載PCで検証していますが、Intel Macの8GBモデルなどで動かそうとすると、AIの提案より先にOSが固まる可能性があります。 また、VS Codeのアドオンを入れすぎていると競合することがあるため、Cursorはなるべくクリーンな状態で使い始めるのがベストです。

なぜこの方法を選ぶのか

現在、AIコーディングツールは「Cursor一強」に見えますが、実は限界もあります。 Cursorの「Composer」機能は複数ファイルを書き換える能力に長けていますが、ターミナルを実行してエラーを自律的に修正し、ドキュメントを読み込んで仕様を理解する「エージェント的自律性」においては、Claude Codeに軍配が上がります。

一方で、Claude CodeはCLIツールなのでUIのプレビューを確認しながらの微調整には向きません。 「見た目はCursorのComposerでサクッと作り、中身の複雑なロジック、DBスキーマの変更、バグ修正、テストコードの全自動生成はClaude Codeに丸投げする」という使い分けが、現時点で最も開発速度を最大化できる方法です。 私が実務で1週間この体制を試したところ、従来のCursor単体での開発と比較して、コードを「書く」時間がさらに30%削減され、「確認する」だけの時間にシフトしました。

Step 1: 環境を整える

まず、Cursorがインストールされている前提で、Claude Codeをグローバルにインストールします。

# Claude Codeのインストール
npm install -g @anthropic-ai/claude-code

# 初期設定と認証
claude

claudeコマンドを叩くと、ブラウザが開いてAnthropicアカウントでの認証を求められます。 APIキーの入力ではなく、OAuthによる連携なのでセキュリティ的にも安心です。

次に、Next.jsのプロジェクトを新規作成します。

npx create-next-app@latest ai-stack-app --typescript --tailwind --eslint
cd ai-stack-app

ここで重要なのが、すぐにgit initして最初のコミットを済ませることです。

⚠️ 落とし穴: AI(特にClaude Code)はファイルを容赦なく書き換えます。 Git管理されていない状態で「全部リファクタリングして」と命じ、AIが途中でトチった場合、元のコードに戻す術がなくなります。 「AIに触らせる前に必ずコミット」は、この環境での鉄則です。

Step 2: 基本の設定

Cursorを開き(cursor .)、まずはUIの基礎を作ります。 Cursorの設定画面(Cmd + Shift + J)で「Claude 3.5 Sonnet」が選択されていることを確認してください。

次に、Claude Codeがプロジェクトを深く理解できるように、.clauderc(設定ファイル)を作成するよう指示します。 ターミナル(Claude Codeを起動している窓)で以下を打ち込みます。

# Claude Codeを起動
claude

# 起動後、プロンプトに以下を入力
> このプロジェクトにPrismaを導入して、SQLiteで動作するように設定して。
> また、Taskモデル(id, title, completed)を作って、マイグレーションまで完了させて。

なぜここでClaude Codeを使うのか。 それは、CursorのComposerに頼るよりも「ライブラリのインストール → 設定ファイルの作成 → マイグレーションコマンドの実行」という一連のシェル操作をClaude Codeの方が正確に、かつ勝手に実行してくれるからです。

Claude Codeは「○○をインストールしていいですか?」と聞いてくるので、yで進めます。 自らnpx prisma initを実行し、schema.prismaを書き換え、npx prisma migrate devまで完遂する姿は、まさに有能なジュニアエンジニアを横に置いている感覚です。

Step 3: 動かしてみる

次に、Cursorの出番です。 CursorのComposer(Cmd + I)を開き、app/page.tsxを選択して以下の指示を出します。

Prismaを使ってタスクの取得・追加・削除ができる、モダンなToDoアプリのUIを作って。
Tailwind CSSを使って、ダークモード対応のスタイリッシュなデザインにして。

Cursorはエディタ上でコードが「生えてくる」様子が見えるため、UIの調整には最適です。 ここで一度、開発サーバーを立ち上げてブラウザで確認しましょう。

npm run dev

期待される出力

ブラウザで http://localhost:3000 を開くと、タスクの入力フォームとリストが表示され、実際に追加・削除ができるはずです。 もしPrismaの型エラーなどが出ている場合は、そのままCursorに「エラーを直して」と言うか、あるいはターミナルでClaude Codeに「npm run devで出ている型エラーを全部潰して」と命じます。

Step 4: 実用レベルにする

ここからがAI併用環境の真骨頂です。 単なるToDoアプリを「仕事で使えるレベル」に引き上げます。 具体的には「バリデーションの追加」「Zustandによる状態管理の導入」「PlaywrightによるE2Eテストの自動作成」をClaude Codeに命じます。

ターミナルのClaude Codeに対して、以下のように指示を投げます。

> 今のアプリに以下の機能を一気に追加して。
> 1. 入力値のバリデーション(Zodを使用。タイトルは3文字以上100文字以内)
> 2. タスクの完了状態をトグルするAPIエンドポイント
> 3. Playwrightをインストールして、タスクの追加と削除をテストする基本的なE2Eテストを作成して
> 4. 最後に、テストを実際に走らせて、通るまで修正して

この「4」の指示が重要です。 Cursorはテストを「書く」ことはできますが、テストを「実行して、その結果を見て修正し続ける」というループはClaude Codeの方が圧倒的に得意です。 Claude Codeは自分でnpx playwright testを叩き、エラーが出ればそのログを読み、コードを修正し、またテストを叩く……という自律的なデバッグを開始します。 私はこの間、コーヒーを飲んでいるだけで、10分後にはテスト済みの堅牢なコードが出来上がっています。

よくあるトラブルと解決法

エラー内容原因解決策
API Quota ExceededClaude CodeでAPI制限に達したAnthropic ConsoleでTierを上げるか、翌日まで待つ
Cursorの保管とClaude Codeの変更が衝突する両方のツールで同時に同じファイルを書き換えた一時的にCursorのComposerを閉じ、Claude Codeの処理が終わってからCursorに戻る
Prismaの型が反映されないファイル書き換え後に npx prisma generate が実行されていないClaude Codeに「Prismaの型を再生成して」と指示する

次のステップ

この「Cursor × Claude Code」のフローをマスターしたら、次は「MCP(Model Context Protocol)」の導入を検討してください。 Claude CodeはMCPサーバーを介して、Google Search、Slack、GitHub、あるいは自社のデータベースと直接通信できるようになります。 例えば、「最新のNext.js 15の公式ドキュメントを検索して、Breaking Changesに対応したコードに書き換えて」といった指示が可能になります。

また、ローカルLLMを併用するのも面白いです。 私はRTX 4090を2枚使って、プライバシーが重要なコードの要約はローカルのDeepSeek-Coderに行わせ、複雑な推論が必要な時だけClaudeを呼び出すスクリプトを組んでいます。 API代の節約とセキュリティ、そして最高峰の推論性能。これらを使い分けるのが「AI専門ブロガー」としての今の私の結論です。

よくある質問

Q1: Cursorだけで十分ではないですか?

Cursorだけでも8割のことはできます。しかし、残り2割の「環境構築」「テスト実行」「大規模なリファクタリング」において、CLIを自由に叩けるClaude Codeの自律性は、生産性を劇的に変えます。

Q2: API料金が怖くてClaude Codeが使えません。

確かに最初は数ドルかかるのが不安ですよね。まずはプロジェクトの初期構築時だけClaude Codeを使い、細かい修正はCursorの組み込みモデル(無料枠など)で行うハイブリッド運用から始めるのがお勧めです。

Q3: 日本語での指示は通りますか?

全く問題ありません。Claude 3.5 Sonnetは日本語の理解力が非常に高いため、プログラミング用語を交えながら普通に話しかければ、意図を正確に汲み取ってくれます。


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