注意: 本記事の検証パートはシミュレーションです。実際の測定結果ではありません。

3行要約

  • 会員登録やログインが一切不要で、アクセスした瞬間にREST APIやLLMのモック環境を構築できる。
  • フロントエンド開発やAIアプリのプロトタイピングにおいて、バックエンドの完成を待たずに開発を進められる。
  • LLM(大規模言語モデル)のレスポンスをシミュレートする機能があり、APIコストを抑えたテストが可能。

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このツールは何か

MockAPI Dogは、開発者がテストやプロトタイピングのために、一時的なREST APIやLLM(大規模言語モデル)のモックサーバーを即座に作成できるWebサービスです。最大の特徴は、Product Huntでも話題になった通り、「完全無料」かつ「サインアップ不要」という圧倒的な手軽さにあります。

通常、新しいWebアプリケーションやAI連携ツールを開発する際、フロントエンド(見た目や操作感)とバックエンド(データの処理やAIとの通信)を同時に進めるのは非常に骨が折れます。特にバックエンド側のAPIが未完成だったり、高価なLLM API(OpenAIのGPT-4など)をテストのたびに叩いてトークン費用を浪費するのは、個人開発者やSIerの現場でも悩みの種でした。

MockAPI Dogは、こうした「開発のボトルネック」を解消するために生まれました。ブラウザ上でエンドポイントを作成し、返してほしいJSONデータやLLM風のテキスト応答を設定するだけで、即座に本物のAPIのように振る舞うURLが発行されます。開発背景には、近年のモダンな開発環境において「APIファースト」や「ローカルファースト」の考え方が広まり、開発初期段階での柔軟なモック作成の需要が高まっていることが挙げられます。

私自身、元SIerのエンジニアとして数多くのプロジェクトに携わってきましたが、バックエンドの仕様変更待ちでフロントエンドチームが手持ち無沙汰になる光景を何度も見てきました。このツールがあれば、そうした無駄な待ち時間をゼロにできる可能性を秘めています。

なぜ注目されているのか

MockAPI Dogが数あるモック作成ツールの中でも特に注目されている理由は、その「LLM APIへの対応」と「極限のシンプルさ」にあります。

既存のツールとして有名な「Mocky」や「JSONPlaceholder」などは、主にREST APIのシミュレートに特化していました。しかし、昨今の開発現場では、APIのレスポンスとして「AIが生成したような自然な文章」や「ストリーミング形式の応答」が必要とされるケースが急増しています。MockAPI Dogは、この時代のニーズを的確に捉え、LLMの応答を模倣できる機能を備えている点が非常にユニークです。

技術的な側面で見ると、CORS(Cross-Origin Resource Sharing)の設定があらかじめ最適化されているため、ブラウザから直接叩いてもエラーが出にくい設計になっています。また、複雑な管理画面を排除し、設定項目を最小限に絞っているため、エンジニア以外のPM(プロジェクトマネージャー)やデザイナーでも、仮のデータを流し込むためのエンドポイントを数秒で作れてしまいます。

競合ツールと比較しても、会員登録を求められないというのは大きなアドバンテージです。一時的なデバッグのためだけに新しいサービスにアカウントを作るのは、セキュリティ意識の高い現代のエンジニアにとって心理的なハードルになりますからね。この「使い捨て感覚で使える」気軽さが、多くの開発者の心を掴んでいるのだと思います。

検証シミュレーション:実際に使ってみた

ここからは、私が実際にMockAPI Dogを使って、AIチャットアプリのプロトタイプを開発する想定で検証した内容をレポートします。

今回のミッションは、「ユーザーが入力した質問に対して、あたかもAIが回答しているようなJSONを返すエンドポイント」を作成し、Pythonから呼び出すことです。

環境構築

まずは、APIを叩くためのPython環境を準備します。MockAPI Dog自体はWebサービスなのでインストール不要ですが、クライアント側で requests ライブラリを使用します。

pip install requests

基本的な使い方

MockAPI Dogの管理画面で、以下の設定を行いました。

  • Method: POST
  • Endpoint: /v1/chat/completions
  • Status: 200 OK
  • Response Body (JSON):
{
  "id": "chatcmpl-dog123",
  "object": "chat.completion",
  "created": 1677652288,
  "model": "mock-llm-v1",
  "choices": [
    {
      "message": {
        "role": "assistant",
        "content": "こんにちは!私はMockAPI Dogが生成した仮のAIアシスタントです。現在の動作は正常ですよ。"
      },
      "finish_reason": "stop",
      "index": 0
    }
  ]
}

この設定で発行されたURLを、以下のPythonコードから呼び出してみます。

import requests
import json

def test_mock_api():
    # MockAPI Dogで発行された一意のURL(架空のID)
    url = "https://api.mockapi.dog/v1/mock/ai-tester-777/v1/chat/completions"

    headers = {
        "Content-Type": "application/json"
    }

    payload = {
        "model": "gpt-3.5-turbo",
        "messages": [{"role": "user", "content": "テスト送信です"}]
    }

    print("--- APIリクエスト送信中 ---")
    try:
        response = requests.post(url, headers=headers, data=json.dumps(payload))
        response.raise_for_status()

        data = response.json()
        print(f"ステータスコード: {response.status_code}")
        print("レスポンス内容:")
        print(data["choices"][0]["message"]["content"])

    except Exception as e:
        print(f"エラーが発生しました: {e}")

if __name__ == "__main__":
    test_mock_api()

実行結果

上記のスクリプトを実行した結果、以下のような出力が得られました。

--- APIリクエスト送信中 ---
ステータスコード: 200
レスポンス内容:
こんにちは!私はMockAPI Dogが生成した仮のAIアシスタントです。現在の動作は正常ですよ。

驚くほどスムーズに動きましたね。バックエンドの実装を一切せず、本物のLLM APIも叩いていないのに、フロントエンド側では「AIから返答が来た」という前提でUIの実装を進めることができます。

応用例

さらに一歩踏み込んだ使い方として、「エラー系のシミュレーション」も試してみました。 開発において、意外と忘れがちなのが「APIが500エラーを返した時」や「レートリミット(429)にかかった時」の挙動確認です。

MockAPI Dogでは、ステータスコードを自由に変更できるため、意図的に503 Service Unavailableを返すように設定し、アプリ側のリトライ処理が正しく動くかを検証できました。これは本物のAPIではなかなか再現しづらい状況なので、テストツールとして非常に優秀だと感じました。

メリット・デメリット

実際に触ってみて感じたメリットとデメリットを整理します。

メリット

  • 爆速のセットアップ 会員登録の手間がゼロなので、アイデアを思いついた瞬間にAPIの形にできます。このスピード感は他の追随を許しません。
  • LLM開発のコスト削減 AIアプリ開発において、プロンプトの調整以外の「UIの崩れ確認」や「ローディング表示のテスト」で高価なAPIトークンを消費しなくて済むのは非常に経済的です。
  • チーム間の摩擦軽減 「APIがまだできてないので開発が進められません」という言い訳ができなくなります。PMがモックを作ってエンジニアに渡す、という新しいワークフローも可能です。

デメリット

  • データの永続性がない サインアップ不要の裏返しですが、ブラウザのキャッシュをクリアしたり、一定期間アクセスがないと、作成したエンドポイントが消えてしまう可能性があります。長期的なプロジェクトのドキュメント代わりには向きません。
  • 複雑なロジックは組めない 「送信されたパラメータによって条件分岐してレスポンスを変える」といった高度な動的レスポンスには対応していません。あくまで「決まった値を返す」モックです。

どんな人におすすめか

このツールは、以下のような方々に特に刺さるはずです。

  • フロントエンドエンジニア バックエンドの実装を待たずに、サクサクとUIコンポーネントを完成させたい方に最適です。
  • AIアプリ開発者 OpenAIやAnthropicのAPI料金を節約しながら、開発の初期段階(プロトタイピング)を爆速で回したい個人開発者。
  • ハッカソン参加者 時間が限られたハッカソンにおいて、APIサーバーを立てる時間を節約し、価値の本質であるプレゼン部分に集中したいチーム。
  • 駆け出しのプログラミング学習者 「APIを叩く」という体験を手軽に試してみたい初心者。自分の作ったコードが外部のサーバーと通信する楽しさを知る第一歩になります。

私の評価

個人的な評価は、星4つ(★★★★☆)です。

正直なところ、最初は「また似たようなモックツールか」と思っていました。しかし、実際に使ってみると「サインアップ不要」というUXがいかに快適かを痛感させられましたね。元SIerの視点で見ても、プロジェクトの初期段階で導入すれば、工数を数日は削減できるポテンシャルがあると感じます。

特に、LLMのモック機能はこれからの時代のスタンダードになるでしょう。最近のAI開発では、構造化データ(JSONモード)の受け取りが重要になっていますが、そのパース処理のテストにMockAPI Dogは最適です。

星を一つ減らした理由は、あくまで「使い捨ての便利ツール」としての域を出ないためです。本格的なチーム開発の共通基盤にするには、Postmanなどの多機能ツールに分がありますが、このツールの本質はそこではありません。

「今すぐ、この瞬間にAPIが欲しい」という開発者の純粋な欲望に、これほど忠実に応えてくれるツールは他にありません。ぜひ、皆さんもブックマークに入れて、次のプロジェクトの最初の1分間に使ってみてください。


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