注意: 本記事の検証パートはシミュレーションです。実際の測定結果ではありません。

3行要約

  • バグ報告に必要な環境情報を自動収集し、AIが理解できるコンテキストとして提供するツール
  • Model Context Protocol(MCP)に対応し、ClaudeなどのAIが直接バグの詳細を読み取れる
  • 開発者とQA、そしてAIの間のコミュニケーションコストを圧倒的に削減できる

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このツールは何か

みなさん、こんにちは。ねぎです。

エンジニアをやっていると、一番気が重い作業って何でしょうか。新しい機能を作るのも楽しいですが、やはり避けて通れないのが「デバッグ」ですよね。特にSIer時代、私は「再現しません」という言葉に何度悩まされてきたか分かりません。テスターから送られてくる「画面が真っ白になりました」というだけの報告。ブラウザのバージョンは?コンソールログは?ネットワークのステータスは?……これらを確認するだけで、気づけば1時間が過ぎているなんてこともザラでした。

今回紹介する「BetterBugs MCP」は、そんなデバッグの苦しみをAIの力で解決しようとする、非常に野心的なツールです。

このツールを一言で言えば、「バグが発生した瞬間のあらゆるコンテキストをパッケージ化し、それをAIが読み取れる形式(MCP)で提供する橋渡し役」です。BetterBugs自体は、ブラウザ上の操作画面、コンソールログ、ネットワークリクエスト、システム情報などをワンクリックでキャプチャできるバグ報告ツールなのですが、これが「MCP(Model Context Protocol)」に対応したことで、その価値が跳ね上がりました。

MCPはAnthropic社が提唱した、AIモデルが外部データソースにアクセスするためのオープン標準です。これに対応したことで、例えばClaude DesktopなどのAIアシスタントに「このバグチケットの情報を読み取って、原因を推測して修正案を出して」と頼むだけで、AIが詳細なログや実行環境を自ら調査し、的確なアドバイスをくれるようになります。

なぜ注目されているのか

なぜ、単なるバグ報告ツールではなく「BetterBugs MCP」として注目されているのか。その理由は、現在のAI開発における最大の課題である「コンテキストの欠如」を解決するからです。

これまでのAIを使ったデバッグでは、人間がログをコピー&ペーストし、スクリーンショットを説明し、環境情報を手入力する必要がありました。しかし、この作業自体が手間ですし、人間が「これは関係ないだろう」と判断して省いた情報の中にこそ、真の原因が隠れていることがよくあります。

BetterBugs MCPが競合や従来の手法と決定的に違うのは、以下の3点だと私は考えています。

  1. 情報の網羅性:ブラウザのネットワークタブの中身や、ローカルストレージの状態まで丸ごとAIに渡せる。
  2. 共通規格の採用:MCPという標準規格に乗っているため、特定のIDEやチャットツールに依存せず、エコシステム全体で利用できる。
  3. 修正までのスピード:バグ報告を受けた瞬間、エンジニアがコードを読む前に、AIがすでに「原因の特定と修正パッチの作成」まで終えているというワークフローが可能になる。

正直、これはデバッグ作業のあり方を根底から変えてしまうポテンシャルを秘めていますね。

検証シミュレーション:実際に使ってみた

ここからは、私が実際にBetterBugs MCPを導入し、AI(Claude)を使ってバグを解決するまでの流れをシミュレーションしてみます。

環境構築

まずはBetterBugsのMCPサーバーをインストールします。Node.js環境があれば、簡単にセットアップできる想定です。

# BetterBugs MCPサーバーのインストール(シミュレーション)
npm install -g @betterbugs/mcp-server

# APIキーの設定
betterbugs configure --api-key YOUR_API_KEY_HERE

次に、Claude Desktopの設定ファイル(claude_desktop_config.json)に、このMCPサーバーを登録します。

{
  "mcpServers": {
    "betterbugs": {
      "command": "betterbugs-mcp-server",
      "args": []
    }
  }
}

これで、ClaudeがBetterBugsのデータにアクセスできるようになりました。

基本的な使い方

今回は、架空のEコマースサイトで「カートに商品が入らない」というバグが発生し、BetterBugsで報告が上がってきたというシチュエーションで試してみます。

Pythonスクリプトからこのコンテキストを呼び出す、あるいはAIにプロンプトで指示を出す際のイメージはこんな感じです。

# BetterBugs MCPを介してバグ情報を取得する内部ロジックのイメージ
import mcp_client

async def analyze_bug(ticket_id):
    # MCPサーバー経由でBetterBugsのチケット情報を取得
    client = mcp_client.connect("betterbugs")
    bug_context = await client.get_resource(f"tickets/{ticket_id}")

    # 取得した情報には、以下が含まれている
    # - Console Logs
    # - Network Requests (HAR data)
    # - System Info (Chrome 120, macOS)
    # - Click Steps (ユーザーの操作ログ)

    print(f"Analyzing bug: {bug_context['title']}")
    return bug_context

# 実行
context = await analyze_bug("BUG-123")

実行結果

AIに「BUG-123の内容を確認して、原因を特定して」と依頼した際の、架空のレスポンスです。

(AIの回答例)
BetterBugsからBUG-123の詳細情報を取得しました。
分析した結果、原因は以下の通りです。

1. エラー内容: ネットワークリクエスト `POST /api/cart/add` がステータスコード 403 (Forbidden) を返しています。
2. 詳細ログ: コンソールに "Invalid CSRF token" というエラーが出力されています。
3. 発生状況: ユーザーが「ログイン」してから5分以上経過した後に「カートに追加」ボタンを押した際に発生しています。

原因:
セッションのタイムアウトによりCSRFトークンが無効化されていますが、フロントエンド側でトークンの更新処理が行われていないため、リクエストが拒否されています。

修正案:
`src/api/client.js` のインターセプターに、403エラー時のトークンリフレッシュ処理を追加することをお勧めします。

このように、ログを読み取った上で具体的なソースコードの修正箇所まで示してくれるのは、本当に助かりますよね。

応用例

さらに、これをCI/CDパイプラインに組み込むことも考えられます。 例えば、GitHubのIssueが作成されたら自動的にBetterBugsのMCPサーバーから情報を引き出し、AIが「再現手順の自動生成」や「修正PRのドラフト作成」を行うスクリプトなども組めそうです。

# GitHub Actions等で実行するイメージ
async def auto_fix_issue(issue_description):
    # Issueに含まれるBetterBugsのURLを抽出
    url = extract_betterbugs_url(issue_description)

    # AIに修正を依頼
    prompt = f"このBetterBugsの情報({url})を元に、現在のリポジトリのコードを修正してください。"
    response = await ai_engineer.fix_code(prompt)

    # 自動でプルリクエストを作成
    await create_pull_request(branch="bugfix/cart-issue", body=response.explanation)

メリット・デメリット

実際にこのフローをシミュレーションしてみて感じたメリットとデメリットをまとめます。

メリット

  • 再現手順の確認作業がほぼゼロになる:クリックした場所や通信内容がすべてAIに渡るため、「再現しません」という不毛なやり取りがなくなります。
  • 誰でも高度なデバッグが可能に:ジュニアレベルのエンジニアでも、AIのガイドがあればシニアレベルの深いログ解析が可能になります。
  • ツール間の往復が減る:Slack、Jira、ブラウザのデベロッパーツールを行ったり来たりする必要がなくなり、AIとの対話だけで完結します。

デメリット

  • セキュリティとプライバシー:ネットワークリクエストの中に個人情報や機密トークンが含まれている場合、それをAI(外部LLM)に送信することになるため、マスキング設定などの運用ルールが必須です。
  • 初期導入のハードル:チーム全員がBetterBugsを使ってバグ報告をするという文化を定着させる必要があります。

どんな人におすすめか

このツールは、特に以下のような方々に刺さるはずです。

  • 毎日大量のバグ報告に対応しているカスタマーサポートエンジニアの方
  • 「開発環境では動くのに」が口癖になっているフロントエンドエンジニアの方
  • QAチームと開発チームの連携をもっとスムーズにしたいマネージャーの方
  • 最新のMCPエコシステムを使い倒して、開発の自動化を極めたいAIエンジニアの方

特に、受託開発などでクライアントから「なんか動かないんだけど」という曖昧な報告を受けることが多い方には、まさに救世主のようなツールになると思います。

私の評価

個人的な評価は、星 4.5 です。

評価: ★★★★☆

正直なところ、これまで「バグ報告ツール」と「AI」は、どこか切り離された存在でした。しかし、このBetterBugs MCPのように「文脈を構造化してAIに渡す」というアプローチこそが、AI時代のデバッグの正解だと確信しています。

SIer時代にこれがあったら、私の残業時間は半分になっていたかもしれません(笑)。それくらい、デバッグにおける「情報の非対称性」を埋める力があります。

唯一、星を一つ減らしたのは、やはりエンタープライズ領域での「機密情報の扱い」に対する懸念がゼロではないからです。ネットワークログにはセンシティブなデータが含まれやすいため、そこをどう安全に、かつAIの精度を落とさずにフィルタリングできるかが普及の鍵を握るでしょう。

とはいえ、個人開発やモダンなWeb開発チームであれば、今すぐ導入を検討すべきツールです。AIに「目」と「耳」を与えるようなこの体験、ぜひみなさんも一度味わってみてください。


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