注意: 本記事の検証パートはシミュレーションです。実際の測定結果ではありません。
3行要約
- AIと外部データを繋ぐ標準規格「MCP」にセキュリティと統制(ガバナンス)をもたらすツール
- AIが勝手に実行してはいけない操作をポリシーベースで制限できる
- 実行ログの可視化により、企業でのAIエージェント利用における懸念を払拭してくれる
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このツールは何か
最近、Anthropicが提唱した「MCP(Model Context Protocol)」が話題ですよね。MCPは、AIモデルとローカルファイルやデータベース、APIなどを接続するためのオープンな標準規格です。
ただ、エンジニアの方ならピンとくると思いますが、AIにツールを使わせるとなると「勝手にファイルを消されないか」「機密データにアクセスされないか」というセキュリティの不安が常につきまといます。
今回紹介する「Preloop」は、そのMCPに「ガバナンス層(統制レイヤー)」を追加してくれるプロダクトです。AIとツールの間に立ち、実行して良い操作かどうかを判定し、すべての行動を記録してくれます。個人的には、MCPが普及するためのミッシングピースだと思っています。
検証シミュレーション:実際に使ってみた
今回は、ローカル環境にPreloopを導入し、AIが「許可されていないディレクトリ」のファイルを読み取ろうとした際に、適切にブロックできるかをシミュレーションしてみました。
環境構築
まずはSDKをインストールします。ここでは仮のライブラリ名として進めます。
pip install preloop-python-sdk
基本的な使い方
Pythonのコード上で、MCPサーバーをPreloopのガバナンス層でラップするイメージです。今回は「プロジェクトのドキュメント(docs)」以外の読み取りを禁止するポリシーを適用してみます。
from preloop import PreloopGovernance
from mcp_server import FileSystemTool
# ガバナンス層の初期化
# ポリシー:/docs 以外のフォルダへのアクセスは拒否
policy = {
"allowed_paths": ["./docs/*"],
"action_on_violation": "deny"
}
governor = PreloopGovernance(api_key="your-api-key", policy=policy)
# 既存のMCPツールをガバナンス層でラップ
secure_tool = governor.wrap(FileSystemTool())
# AIが禁止されたディレクトリ(/secrets)のファイルを読もうとしたと想定
try:
result = secure_tool.read_file("/secrets/password.txt")
print(result)
except Exception as e:
print(f"アクセス拒否されました: {e}")
実行結果
実行してみると、以下のようなログがPreloopの管理画面(およびコンソール)に出力されました。
[Preloop Audit] Timestamp: 2024-05-20 14:00:05
[Preloop Audit] Agent: GPT-4o-based-mcp-client
[Preloop Audit] Action: read_file
[Preloop Audit] Parameter: /secrets/password.txt
[Preloop Audit] Status: BLOCKED (Policy Violation: Unauthorized Path)
[Preloop Audit] Reason: Path "/secrets" is not in the allowed list.
アクセス拒否されました: Permission denied by Preloop Governance Layer.
このように、コード側で細かく制御しなくても、Preloop側で一元管理できるのは非常に便利ですね。
メリット・デメリット
メリット
- セキュリティの担保:AIが誤って、あるいは悪意のあるプロンプトによって重要なデータを操作するのを防げます。
- 監査ログ:誰が(どのAIが)いつ、どのツールで何をしたかがすべて記録されるため、コンプライアンス要件を満たしやすいです。
- ポリシーの一元管理:複数のMCPツールを使っていても、Preloop側でポリシーをまとめて管理できます。
デメリット
- オーバーヘッド:間に一層挟むため、極わずかながらレスポンスの遅延が発生する可能性があります。
- 学習コスト:ガバナンスポリシーの書き方を覚える必要がありますが、これは安全のためには仕方のない部分かと思います。
私の評価
正直なところ、これまでMCPは「便利だけど本番環境や企業で使うには怖すぎる」という印象でした。しかし、Preloopのようなガバナンスツールが出てきたことで、その懸念は一気に解消されそうです。
元SIerの視点から見ても、企業にAIエージェントを導入するなら、こうしたログ管理と権限管理の仕組みは必須と言えます。個人開発者であっても、自分の大切なローカルファイルをAIに壊されないための保険として、導入を検討する価値は十分にあります。
星評価: ★★★★☆ (MCP自体の進化が早いため、今後の追従への期待を込めて4つにしました!)
ぜひ皆さんも、安全なAIエージェントライフのためにチェックしてみてください。
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